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2011年5月19日

SMG~CAN(米国)Q&Aの翻訳公開

 かんもくネットは、米国のSMG~CANのサイトにある"Ask the Doc Archives" のQ&Aを翻訳し、随時公開していく予定です。
http://www.selectivemutism.org/find-help/ask-the-doc-archives
翻訳は、Knet翻訳チームの、虹橋(経験者)、ラビット(経験者)、Gondola(保護者)、Anne(特別支援員 )、けいこ(心理士)が行いました。


■SMG~CAN(Selective Mutism Group ~ Childhood Anxiety Network・場面緘黙グループ小児期不安ネットワーク)とは?

 場面緘黙の子どもたちを支援する団体は、世界に複数あるようです。中でもSMG~CANは、1990年代中頃に米国で生まれた著名な団体です。エリザ・シポンブラム博士をはじめ、多くの専門家が関与し、現在も場面緘黙の啓蒙活動、保護者や他職種を交えた情報交換、調査対象を募っての研究を行っています。


■"Ask the Doc Archives"とは?

 SMG〜CANでは、会員がメールで質問を送り、専門家がそれに応えるサービスを行っています。"Ask the Doc Archives"はその情報交換の記録です(全114個のQ&A・2011年5月最終アクセス)。 
 これらのQ&Aの多くの項目をエリザ・シポンブラム博士が回答しています。エリザ先生は、初めは保護者として娘ソフィアちゃんの場面緘黙と取り組まれ、のちに場面緘黙の治療者・研究者となりました(詳しくはhttp://kanmoku.org/news/News200710.htm)。1990年代の米国は少し前の日本と同じで、場面緘黙の情報がほとんどありませんでした。エリザ先生の保護者への暖かい言葉は、場面緘黙の情報が得られず、治療が受けられずご苦労されたご自分の経験に根ざしています。Knetサイトでの翻訳公開については、エリザ先生から許可をいただきました。


■SMG~CAN(米国)Q&Aを読むにあたって
 
 これらのQ&Aは、米国団体のものです。そのため、私たち日本人が読むには注意が必要です。米国と日本では、場面緘黙の治療や学校教育について大きな差異があるからです。
 例えば、米国では学校での個別教育計画や教育的配慮を決定するにあたって、保護者の参加は様々な法律で手続きが規定され、その権利が保障されています。しかし、日本では保護者は学校に「配慮をお願いする」というのが現状でしょう。また、このQ&Aには薬物療法について多くの言及がありますが、日本での小児への投薬は消極的な医師がほとんどです。また、場面緘黙と自閉症スペクトラム障害や他の発達障害との関係や鑑別について、日本ではまだ明確にはされていません。
 場面緘黙に取り組むにあたって、このように日米間の差異は大きくありますが、それでもなおこのQ&Aの情報から、私たちが学ぶことは多くあると思います。