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2009年1月19日

 毎日新聞が、かんもくネットに関する記事を掲載

かんもくネットと会員の取り組みについて、毎日新聞で取り上げられました。

毎日新聞データベースセンターから、リンクと記事全文転載の許可を得ています。
以下、毎日新聞HPより全文転載しています。
毎日新聞HPの記事はこちら(1ヶ月後にリンク切れの可能性あり)


かんもくネット 園や学校で話せぬ子供たち 

 ◇「楽しく無理なく練習を」

 家では普通に話すのに幼稚園や学校ではおしゃべりできない−−。こうした症状は「場面緘黙(かんもく)」と呼ばれ、子供たちはつらい気持ちを言葉にできにくい。そんな子たちを支えようと、保護者や体験者、教師らでつくる「かんもくネット」がホームページ(HP)や参考書で情報を発信している。周囲の対応方法を具体的に紹介し、教育現場や医療現場で注目を集めている。【安部拓輝】

 昨年11月、山口県下関市内の保健センター。幼児の健康診断をしていた小児科医、金原洋治さんは1人の男の子と出会った。話しかけてもピクリとも反応しない。母親は「家ではうるさいくらいなのですが」。面接後、金原さんは2階から車に向かう親子に手を振った。すると、今度は笑顔で手を振り返してくれたのだった。男の子は場面緘黙の特徴を見せていた。

 8年前から発達相談や心の相談に応じている金原さんは、こうした「おとなしい子」の存在が気がかりだった。HPや「かんもくネット」が08年3月に出版した参考書「場面緘黙Q&A」(学苑社、1995円)で詳しい対処法を知り、治療にも活用している。「親も先生も『そのうち話せる』と思っていたら小学校で悪化した場合もある。どう助言したらいいか、体験者の声が聞きたかった」

 同ネットは06年、体験者が作ったHPの掲示板で情報交換したのをきっかけに、07年春に設立された。現在会員は113人。「Q&A」はHPに寄せられた当事者の体験談や、話せるようになった報告を110のコラムで158ページにわたって紹介している。

 「たまに先生に誘われて遊びの輪に入っても、周りは『なんで来るんだよ』という目つきをする。(体が)固まって思考が途絶えた」。40代の男性は保育園での思い出を語る。度々おもらしをしていたことも振り返り「先生にも母にも『またなの』と疎ましがられ、心情を出す場はなかった」と告白する。

 小1男児の母親は先生と友達に協力を求めた。担任の先生と手紙を交換したり電話で話すことから始め、10月には放課後の校内で先生や友達と発表の練習などをしたところ、年末には教室でも緊張しなくなった。母親は「楽しく無理なく進めるように工夫した」という。

 一方、HPでは米国や英国の20を超える資料も翻訳し、子供の発達段階に応じた接し方を助言している。同ネット代表で臨床心理士の角田圭子さん(兵庫県三田市)は「無理に話させようとするのは逆効果。安心できる人や場所を増やすのが効果的で、周囲の理解が大切」と話す。

 同ネット会員で神奈川県の公立小学校教諭、鹿島理子さんは、幼稚園の入学式に母親がいなかったことにショックを受け、話せなくなった経験がある。小5で友達ができ、話せるようになったが「毎晩自分のことで口論する両親を見るのはつらかった」。鹿島さんは「子供が話さないのは不安だから。でもそれを認めることが第一歩。毎日『大好きだよ』と言って、愛されていることが伝われば安心につながると思う」と話している。

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 ■ことば

 ◇場面緘黙

 医学的には学校などで1カ月以上言葉が出ないのが診断基準とされ、選択性緘黙とも呼ばれる。話せなくなるきっかけは、幼稚園などの集団になじめないという不安や転校時の不安感、いじめなど多岐にわたる。

〔福岡都市圏版〕

毎日新聞 2009年1月17日 地方版