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2008年9月29日

場面緘黙の啓発キャンペーン in イギリス

イギリスのSMIRA(場面緘黙情報研究協会/スマイラ)では、2008年10月5日(日)〜12日(日)を「場面緘黙・啓発週間」とし、場面緘黙の啓発キャンペーンを行います。

SMIRAからKnetに協力が呼びかけられましたが、今はまだ力不足。日本でもいつか、こんなキャンペーンが実現できればいいなと考えています。かんもくネットは、この啓発週間にあわせて、各県1箇所、全国の児童相談所に「場面緘黙Q&A」とSMIRAの啓発用リーフレットをアレンジしたもの、朝日新聞の記事を送る予定です。

下記はSMIRAの啓発キャンペーンのための記事とリーフレットの翻訳です。
Knet翻訳チームのbikkeさん(言語聴覚士)、Gondolaさん(緘黙児の保護者)、キャシーさん(精神保健福祉士・大学院博士課程)そしてAnneさん(特別支援教育支援員)が翻訳に協力してくださいました。

                                        角田圭子(かんもくネット代表)
 


        SMIRAニュースレター  場面緘黙 啓発週間
            Selective Mutism Awareness Week

「啓発週間」の日程は2008年10月5日〜12日に決定しました。キャンペーン実施に先駆けてリーフレットとポスターを作成。メディアによる報道を期待して、事前にマスコミに対しても知らせる予定です。期間中にはさまざまなイベントが企画されており、その中には以下が含まれています。

10月3日 Timesタイムズ紙の教育欄に啓発キャンペーンの記事掲載。
10月7日 ウェールズのカーディフで開催される会議にて、SMIRA事務局長リンジー・ウィティントンさん、場面緘黙の著書で著名な言語聴覚士マギー・ジョンソンさん、そしてSMIRA会員の保護者が、場面緘黙とSMIRAについて講演します。この会には、ウェールズ会議のメンバーをはじめ、子どもに関与する様々な組織の代表を招きました。
10月10日 SMIRA委員会のメンバーであるビクトリア・ロウ さん(特別支援スペシャリスト)が、ロンドンで開催されるコミュニケーション・トラスト会議にてSMIRAについてのプレゼンテーションを行います。この会には、学校長、言語聴覚士協会の幹部、幼児教育チームリーダー、スクールリーダー、青少年のための組織代表の他、福祉や教育分野、地方行政に携わる人々が参加する予定です。

現在SMIRAでは会員や協力者に、地域の学校や治療機関に啓発用リーフレットやポスターを配布する活動や、地元の報道機関に伝える活動を呼びかけています。ヒアフォード地域では言語聴覚士会の協力により、地域の全幼稚園・保育園・学校と治療機関にリーフレットが配布されます。このようにして、配布が全国的な規模に広がることを願っています。

SMIRAは、このキャンペーンで、より多くの人達に場面緘黙のことを知ってもらう活動を展開していきます。集まった資金の続く限り、全国すべての幼稚園・保育園・学校に行き渡ることをめざして、啓発リーフレットを配布したいと考えています。イベントに関する情報はウェブサイトに掲載、情報は随時更新されます。

かんもくネットはこのリーフレット(ポスターと文面は同じ)の翻訳とweb上掲載許可を得ました。



SMIRA
Selective Mutism Information & Research Association
UK Registered Charity No. 1022673


人前で話すのが 苦手な子だっている
           立ち往生 

  聞こえないよね 私の言いたいこと 
  ことばがのどにつっかえて 立ち往生してしまうんだ
  どうすれば あなたに分かってもらえるのかな
  わたしのこと
   
  聞こえないよね 私の言いたいこと 
  まるであなたは巨人のようで
  それでわたし 逃げ出したくなるんだ

  聞こえないよね 私の言いたいこと 
  私には 聞こえてたよ
  ついこの間 あなたがどなってたの

  聞こえないよね 私の言いたいこと 
  私にしゃべらせたいのでしょう
  わたしって 変だよね

  聞こえないよね 私の言いたいこと 
  ことばがのどにつっかえて 立ち往生してしまうんだ
  どうすれば あなたに分かってもらえるのかな
  わたしのこと

           〜Shannon (8才)〜
             
● 場面緘黙を知っていますか?

 場面緘黙は、不安から生じる子どもの症状のひとつです。子どもたちは、ある場面では流暢におしゃべりするのに、別の場面ではことばが出ません。この状態は幼少期から見られ、たとえば入園入学や、病院に入院した際などに一時的に起こることでも知られています。しかし、中にはまれに、学校生活を通してずっと症状が続く子どもたちがいます。

 場面緘黙の子どもは、人とことばを使わずにやりとりしますが、通常先生と話さず、また友達にも黙ったままのことが多いのです。身内であっても特定の誰かには話さない子どももいて、どういう状況で話さないかは子どもによって様々です。多くの場合、子どもたちは他には特に問題なく、家では自由に話すし、親しい友達となら普通に話します。話すことが必要な場面以外の学校生活では、たいてい年相応の成長をみせます。

場面緘黙の大きな特徴は、なじみのある状況では話せるのに、特定の社会的状況(たとえば、学校で、友達や先生と)で、話すことができない状態が長く続くことです。


●主な特徴  〜 場面緘黙の子どもたちはこんなふうです 〜

・ 不安なときは、相手を見ることが難しい・・・彼らは顔を背けてあなたを無視しているように見えるかもしれません。無愛想だと思われるかもしれませんが、違うんです。彼らは応えることができないだけなんです。

・ 不安なときは、笑わない、ぼんやりしている、表情が乏しい・・・学校では彼らはたいていいつも不安を感じています。そのため、にっこりしたり笑ったり、本当の気持ちを表すことが難しいのです。

・ 体がこわばり、動きがぎこちなくなる・・・不安だったり、人に注目されると思うと、そうなります。

・ 出席の返事や、「こんにちは」や「さようなら」「ありがとう」を言うことが、とてつもなく難しい・・・これは人を傷つける失礼な態度と思われがちですが、わざとやっているわけではありません。

・ 質問に応えるのがゆっくり・・・どのような応え方でも、時間がかかります。

・ 話すように強いられると、もっと不安になる

・ 人に比べ、いろんなことが心配になりがち

・ 気持ちが繊細

・ 感覚が敏感・・・たとえば、騒音や匂い、触覚、人ごみなどに対して、敏感です。

・ 相手の反応がとても気になる ・・・他人の反応を、誤って解釈してしまうこともあります。

・ 自分の気持ちを表現することがとても難しい・・・彼らにとっては辛いことなのです。


● 私たちにできることはありますか?

はい。私たちは場面緘黙の子どもを手助けできます。ただ早いうちに子どもの場面緘黙に気づくことが重要です。そうすれば、何らかの取り組みを始めることができます。自然に任せておくだけでは、子どもの状態がよくなる保証はありません。入園入学後など、通常慣れるまでにかかる期間を過ぎても子どもが話さないときは、特別支援教育コーディネーター(SENCO)に相談し、専門家の助言を求めるべきです。

● SMIRA(スマイラ)とは?

SMIRA(Selective Mutism Information and Research Association)は、イギリスのチャリティ団体で、場面緘黙に関する情報と研究のための協会です。場面緘黙の子どもの保護者、保育者や教師をサポートし、場面緘黙の子どもに関わる専門家に情報を提供するために設立されました。

教師、心理学者、言語聴覚士、精神科医、緘黙に関心がある他の専門家の参加も呼びかけています。子どもに関かわるすべての援助者が、場面緘黙について知り、互いに協力しあい、連携していくことがぜひ必要です。

SMIRAは、保護者や援助者たちの孤立感を解消するきっかけを作ります。学校や家庭や治療機関などで、同じような問題を経験している人たちが、意見を分かち合う機会を提供します。

Copyright:SMIRA www. selectivemutism.co.uk
場面緘黙児支援の団体 かんもくネット(Knet)が翻訳しました。http://kanmoku.org/

  SMIRAの啓発用リーフレット(一部改変
  SMIRAの啓発用リーフレットを、 日本の学校や専門機関に配布できるように一部改変しました。
  どうぞ印刷してご利用下さい