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DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)では「選択性緘黙」という名称で記載されています。
- 家などでは話すことができるにもかかわらず、ある特定の状況(例えば学校のように、話すことが求められる状況)では、一貫して話すことができない。
- この疾患によって、子どもは、学業上、職業上の成績または社会的な交流の機会を持つことを、著しく阻害されている 。
- このような状態が、少なくとも一ヶ月以上続いている。
(これは、学校での最初の一ヶ月間に限定されない)
- 話すことができないのは、その子がその社会的状況において必要とされている話し言葉を知らない、または、うまく話せないという理由からではない。
- コミュニケーション障害(例えば、吃音症)ではうまく説明できない,また,広汎性発達障害、統合失調症またはその他の精神病性障害の経過中以外に起こるものである。
症状が似ているために、混同されやすい疾患があります。例えば、ショックな出来事が引き金になって全緘黙になる「心的外傷性緘黙」は区別するべきだとされます。「失語症」は、脳卒中や交通事故により脳の言語中枢にダメージを受けた結果、言葉の意味をとれない、わかっていても言葉にできない状態です。「ヒステリー性失声」は、ストレスやショックな出来事によって発声器官が麻痺する状態です。
場面緘黙は、恥ずかしがり屋のひどい状態であるとも言えますが、場面緘黙が恥ずかしがり屋と大きく異なる点は、症状が強く長期に渡って続くこと、そのために子どもが持っている様々な能力を十分に発揮できないということです。
喋ることができても小声だったり、答えるまでに時間を要したり、特定の相手とだけ話したりする状態の場合も、場面緘黙としてとらえて支援することが有効です。特に、回復の途上にある場合、子どもの状態が学校に理解されにくいことが多いため注意が必要です。
自閉症やアスペルガー症候群などの広汎性発達障害PDDや学習障害LDとは異なります。しかし、場面緘黙児の中には「かなりの割合で発達障害を併発している」「構音障害や感覚統合の障害が見られる子どもがいる」等の報告があります。
DSMでの診断では、場面緘黙は、共通した症状でくくられる1つの障害とされています。しかし、厳密に言えば「場面緘黙」は「症状」をさしています。似た症状をもつ場合にも、それぞれの要因や特徴は大きく異なります。「話せない」という症状だけに注目せず、子どもの全体像をよく理解して、その子にあったアプローチをしていくことが重要です。
例えば、幼少期の発達がゆっくりで、自分を表現することに自信がもちにくい場合があります。また、感覚過敏や発達的なアンバランスのために、状況の読み取りや、人との関わりが苦手な場合もあります。また、発音や言語表現が苦手で、そうした失敗を怖れている場合があります。こうした要因が、それぞれ違った形で子どもの症状に影響しているのです。
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